【できないと言う勇気】モンキー・D・ルフィに見るリーダーシップ【ウソもつけねェ】

みなさん、こんにちは!
まずは次のシーンを
見てくれるかい??

麦わらの一味の船長ルフィの
「リーダーシップ」?

漫画「ONE PIECE」10巻の第90話にて、主人公である麦わらの一味の船長ルフィが、東の海の覇者であった海賊「ノコギリのアーロン」と、対峙した際に「てめェに何ができる!!!」と高圧的に言い放たれた次の一コマ。

ワンピース第10巻より、やさしいおはなしスタッフ書き起こし

…この言葉に続けて、倒れる相棒の剣士ゾロの隣で「おれは剣術を使えねェんだコノヤロー‼」と叫び、

……と繋がるシーンがあります。いかにも少年漫画らしい、主人公のセリフですね。

誰もが認める王道マンガ「ONE PIECE」の劇中のセリフですが、よく考えてみてください。
主人公のルフィは、海賊船の船長であり、海賊団という組織の中で、「リーダーシップ」の発揮を求められる立場にあります。

そう考えると、上記のセリフは王道のソレというよりも、「…あれ?なんか新しくない?」と感じた次第です。

「リーダーシップ」って何だろう?

さて皆さんも、幾度か人生の分岐点でこう尋ねられた経験はあるのではないでしょうか?

あなたがリーダーシップを発揮した経験を
教えてください。

職場や学校、家庭のなかで、大なり小なりだれもが一度は経験することになるリーダーというポジション。思い浮かなければ、新明解国語辞典の説明通り「リーダーシップ=指導的地位。指導力。」ですから、「誰かに何かを頼む場面」くらいで置き換えても構いません。

一般的な「リーダーシップ」のイメージとして、ぱっと思い浮かぶ関連ワードは、次のような感じでしょうか。

一般的な「リーダーシップ」のイメージとして、ぱっと思い浮かぶ関連ワードは、次のような感じでしょうか。

「できない」と言う勇気。

さぁ、「ONE PIECE」の話に戻ろう。冷静に考えると、世間一般のリーダーシップ像とルフィのリーダーシップは、大きくズレている部分があると…思って頂きたい。(マンガの中の話じゃん!というツッコミはさておき)

では、ルフィのリーダーシップとは何か?

ルフィのリーダーシップには、

  1. 自己認識(Self-Awareness)で自分の不足を正確に把握し、
  2. その不足をチームにヴァルネラビリティ(Vulnerability)として開示する

という特徴を見ることができるのです。

ルフィのリーダーシップは、

自己認識(Self-Awareness)で自分の不足を正確に把握し、

その不足をチームにヴァルネラビリティ(Vulnerability)として開示する

という特徴を見ることができるのです。

意外とクレバーなんだな!るふぃって!

そうなんです。ルフィは自分に何ができないか」、「何が不足しているか」を明確に理解しているから、「これについては、あいつに任そう!」「これはあいつが詳しかったな!」という判断力があり、人に任せることができるという側面がある。

そして、この行動はクルーにも伝播するところに注目したい👀!

伝播するルフィのリーダーシップ。

麦わらの一味の料理人サンジは、作中で、ルフィと相対的な性格や気質として描かれることが多いキャラクターです。

自由奔放で無責任にも見えがちな主人公と異なり、彼は、献身的な性格で頭のキレる“曲者”。自己犠牲を厭わない騎士道精神の持ち主ですが、先ほどのルフィの影響を受けてかどうかは定かではありませんが、次のようなシーンがあります。

麦わらの一味の料理人サンジは、劇中で、ルフィと相対的な性格や気質として描かれることが多いキャラクターです。自由奔放で無責任にも見えがちな主人公と異なり、彼は、献身的な性格で頭のキレる“曲者”。自己犠牲を厭わない騎士道精神の持ち主ですが、ルフィの影響を受けてかどうかは定かではありませんが、次のようなシーンがあります。

…と、まぁウォーターセブン編では、まだまだニヒルなサンジくんですが、この言動は、ルフィの影響と見て取ることもできなくはないですね。

そして、時は進み、最近の彼の成長を垣間見ることができた名シーン。

「騎士道精神」という信念やプライドを捨てて、仲間に頼ることを覚えたサンジ。

「騎士道精神」という信念やプライドを捨てて、仲間に頼ることを覚えたサンジ。

ルフィが「おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!!」と自分の弱さ(Vulnerability)を宣言したことで、クルー全体に「弱さを隠さない」という行動規範が生まれました
そしてその開示と仲間の専門性への依存の肯定が、支配ではなく、個々の強みと弱みを前提とした相互補完を最良とする組織文化が定着したと見て取れるでしょう。

「自分にできないこと」と
「できること」のリンケージ

このような形のリーダーシップ、実は物語の中ではよく見られます。『NARUTO -ナルト-』や『僕のヒーローアカデミア』の主人公も、おおよそ似た形のリーダーシップを作中で発揮しています。

では、実際に現実世界で「自分にできないこと」「自分に不足していること」を明確に理解し、他者に肯定的な依存ができるリーダーとなるためには、どうすればいいのか?

“フランス現代思想学者”の内田樹先生の『コミュニケーション・プラットフォームの構築』という概念から紐解いていきましょう。

自分にできないことの理解と自分にできることとのリンケージ=「コミュニケーションリーダーシップ」の構築。

自分と異なるバックグラウンドの人たちと交流する時間が、他者とコラボレーションする能力の涵養につながる。大学では、「教養課程」の時間がここに当たります。自分の頭の中で流動的な「地図」を作り、それを俯瞰し、自分の現在地を知る。

「自分に何ができないか、何が不足しているのか」を明確に理解しているルフィ型のリーダーシップこそが、チームの力を最大限に活かす形だと仮定するのであれば、僕たちがまずやることは、

「自分にできないことの検出に躍起になること」かもしれませんね。そのために、自分と異なる人たちと交流できる場所を探す。そのうちに自分の輪郭がわかってくるかもしれない

「自分にできないこと」を「自分にとって代わる仲間」に敬意が生まれる。支援の重要性がわかるようになれば、きっと僕も海賊王になれるわけだ‼

さぁ、今日の学びのまとめです。

  • 「自分にできないこと」を熟知し、専門家を探し、その人に肯定的な依存ができる“ルフィ型”リーダーシップは、チームに心理的安全を醸成し、互いの存在を認め合う倫理観の涵養につながる
  • 「自分にできないこと」を知るために、コミュニケーション・プラットフォームを構築することが肝要。
編集後記

以上2点が本稿の趣旨となりますが、いかがでしたでしょうか。意外とみなさん「できることの獲得」に躍起になることはありますが、「できないことの検出」に時間を割くことってなかなかしませんよね。

「できないと言う勇気」いかがでしたでしょうか?

☆コミュニケーション・プラットフォームの構築については、
こちらの書籍の第5講に詳しく書かれているよ!

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