私たちが、「できること」と「しないこと」。
当団体では、「主体性の回復」をテーマのひとつとして掲げています。もう少しかみ砕くと、「あなたが自分自身の力で、考えや気持ちを整理し、少しずつ前に進んで
いける」ことを目標としています。
そして、当団体は無償のボランティアとして活動して
います。これらの特性を総合的に考慮した結果、
「できること」と「しないこと」を明確に役割を線引きすることが、持続可能で最適なサポートを実現するための誠実な態度であると考えています。
- できることのリスト
- あなたの抱える問題を解消するために、あなたのお話を傾聴すること。
- あなたの気持ちや考えを整理するための、手助けをすること。
- 安心してお話ができる小さな空間を作ること。
- しないこと(できないこと)のリスト
- あなたの抱える問題を、直接的に解決すること。
- 専門的な医療・カウンセリング・福祉などの
サービスの提供。 - 長期的な支援。(後述)
私たちが、お役に立てるかもしれない人。
私たちは、めまぐるしく変化する現代社会の中で、
公的な支援や専門的なサービスでは、まだ十分に対応
しきれていない「中間的領域」に位置する方々を
サポートの対象者に限定しております。
【例】
- 家族や友人のサポートに精一杯で、一人で心の負担を抱えこんでいる方
- 介護や看病、子どもの教育など。誰かを支える
あなたの心は、見過ごされがちです。私たちは、話を聴いたり、一緒に考えたりすることしか
できませんが、少しでも心の重荷が軽くなれば
と思います。
- 介護や看病、子どもの教育など。誰かを支える
- 「平均」や「標準」という枠組みから、少し外れたように感じている方
- 画一的な教育や制度は、必ずしも万人にとって
心地よいものとはなり得ません。あなたが抱える疑問や悩みを、整理することで何か発見がある
かもしれません。
- 画一的な教育や制度は、必ずしも万人にとって
- 社会的な評価とは関係なく、漠然とした生きづらさを感じている方
- 対外的な評価と、内面の安定は必ずしも一致しません。あなたがその悩みの本質と向き合い、自分らしい道を歩む時間を伴走します。
- 社会復帰過程に心理的抵抗を抱える方
- 疾病や障害、休学・離職などを契機に社会との
関わりが途絶し、再び関与しようとする際に強い不安や自己不信を抱いている方の最初の一歩を
お手伝いします。
- 疾病や障害、休学・離職などを契機に社会との
より適切なサポートを必要とする方へ
私たちの活動は、専門的な医療行為ではありません。
あなたがより適切なサポートを確実に受けられるよう、私たちは以下のような方々には、専門機関との連携を
推奨しています。
- 精神科医療やカウンセリングを必要とされる方
- 特定の依存症などで専門的な治療を必要とされる方
- 緊急性の高い、心身の危機的な状況にある方
あなたの安全と、確実な回復のために、これらの症状については、専門的な資格を持つ医師やカウンセラーに
ご相談ください。
大事にしたいこと①「しない」勇気
仏教の教えのひとつに「自利利他円満」という言葉が
あります。
これは「自分の成長と他者への慈しみは、ひとつに調和して完成する」という意味だそうです。
正直なところ、この一般的な解釈には同意しかねます。
相互依存的な関係ではなく、字面通り、まず「自利」があって、次に「利他」が来て、その先に「円満」がある。この順序がとても重要だと考えています。「自利」という根があり、「利他」という花が咲く。
まずは自分が満たされて、はじめて他者への健全な思いやりが持てる。その先に円満がある。おそらくこの団体の活動に興味を持っていただいた方の大半も、よかれ
悪かれ「利他」に比重を置きすぎているのではないかと考えています。
私たち「やさしいおはなし」が非営利のボランティア
グループである以上、「できること」と「しないこと」の線引きをはっきりさせて、持続可能な範囲で活動を
することが、
あなたの成長と回復を支えられる、最も誠実な態度だと信じています。
大事にしたいこと②「支援する」の落とし穴
当団体では、なるべく「支援する」という言葉を
使わないように心がけています。
「支援する」またそれに準ずる言葉には「他動詞」という特徴があります。
つまり構造として、主体(主語)と客体(目的語)の
関係が生じる。そこから、上下関係や依存関係のリスクが生まれる可能性があるセンシティヴな側面があることを考慮に入れています。
また、継続的な支援は、相手の主体性や自己効力感を
奪ってしまうこともあります。
冒頭で述べた通り、私たちは「あなたが自分自身の力で、考えや気持ちを整理し、少しずつ前に進んでいける」
ことを目標としています。
私たちは「過程」や「瞬間の変化」、「今日はここまでできた!という小さな成功体験」の尊さを大切にすることが、あなたのさらなる飛躍に繋がると信じています。


