【いい子の檻】「ごめんなさい」が口癖のあなたへ。罪悪感の”線引き”をしよう

ねぇ、ものしりんご。この間、母に頼まれた用事をうっかり忘れちゃったんだ。謝ったんだけど、まだ胸がズーンとしてて……。

おや、それは大変だったね。正直で誠実な君らしいよ。でも、その「ズーン」とした感覚は、用事を忘れたことに対する「適度で健全な罪悪感」

健全な…罪悪感? 罪悪感って、嫌なものじゃないの?

たしかに嫌な感覚だ。でもね、ぼくたちはこの「健全な罪悪感」があるおかげで、社会で安全に生きられているんだよ

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心が軽くなる:「罪悪感」はあなたの優しさのサイン

心理学者のエリクソンは、子どもの「自主性」の対極に「罪悪感」を置いた。自主性は、自分で考え、指示や許可なしに行動しようとする力のことだ。

ふむふむ。自分で動こうとすると、失敗したり、誰かを傷つけたりするかもしれない。それが「罪悪感」につながるってこと?

その通り。でも、それはブレーキ」というより「ガイドマップだと考えてほしい。 たとえば、横断歩道で赤信号を渡ってはいけない、というルールがある。このルールを破れば「罪悪感」を感じるよね?

うん、感じる。危ないし、悪いことをしたって思う。

その「悪いことをした」という感覚が、ぼくたちを「安心して行動できる領域」に留めてくれるんだルールという境界線(定義域)が明確にあるからこそ、その内側では、ぼくたちは安心して、自由闊達に動き回れる。

境界線の内側は自由…!

そう。健全な罪悪感は、「これ以上は他者との関係を壊すよ」「これ以上は自分を危険にさらすよ」と教えてくれる、自分のための優しいガイドマップなんだ。

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不条理な罪悪感:マップの外のノイズを消そう

じゃあ、ぼくがよく感じちゃう「何かわからないけど、ぼくのせいな気がする…」っていうモヤモヤは? あれはガイドマップじゃないの?

それこそが、君の誠実さが広げすぎてしまう、「不条理な罪悪感」 エリクソンの言う罪悪感は、自分の行動が引き起こした明確な結果に対するものだ。でも、君が背負っているのは、誰かの機嫌とか、自分の役割以上の責任から来るものじゃないかな。

あ…。お母さんの顔が曇っていると、「私がもっとちゃんと気を利かせればよかったのかな」って考えちゃう…。

それは、完全に君の責任の範囲外だ。相手の感情は、その人自身の問題だよ。 君はまじめで誠実だから、周りの人の「期待(役割期待)」「絶対に守らなければならないルール」だと勘違いしてしまう。そして、その期待に応えられないと、「指示や許可なしで行動した罪」を感じてしまうんだ。

指示がないと動けない…まさにそれかも。

しかも、考えてみて。「いい子」である君のまわりに、「君の罪悪感」を利用して、無意識に君を服従させようとする人が来るかもしれない。 罪悪感は、他者を支配するのに一番手っ取り早い道具になりやすいんだ。

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まとめ:あなたのガイドマップの境界線はどこ?

だから、君が今すべきことは、「罪悪感の機能」を理解し、その「定義域」を正しく設定し直すことだ。

線引き…!

そうだ。「これは、ぼくがルールを破ったことによる罪悪感か? それとも、誰かの期待や不機嫌を、ぼくの責任範囲だと拡大解釈した結果か?」と自分に問いかけてほしい。

拡大解釈…。

君が感じる「ズーン」という感覚は、君の心が必要以上に「過剰な責任」を背負い込んでいることへのサインだ。 不条理な罪悪感は、君を罰するためにあるのではなく、「これは君の責任じゃないよ」「もっと自分を解放していいんだよ」と教えてくれる「心の警報」として受け取ってごらん。

なんだか、胸のモヤモヤが少し晴れてきた気がする…。ぼくの誠実さを使って、もっと自由に動いていいんだって、安心したよ。ありがとう、ものしりんご!

編集後記

「いい子」でいようとする人ほど、不必要な罪悪感で身動きが取れなくなりがちです。今日のお話が、あなたの「罪悪感のガイドマップ」を再確認し、一歩踏み出す自主性を取り戻すきっかけになれば嬉しいです。

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