「原因さがしの沼にハマっている」きみへ
ねえ、ものしりんご。どうしてぼくの仕事はうまくいかないんだろう?絶対に原因があるはずなんだ!それを突き止めなきゃ、次に進めない気がするんだ。
おはなし君、その気持ちはわかるよ。でも、世の中のほとんどの出来事は、単純な「原因」と「結果」に分けられるものじゃないんだ。多くの場合、それは区別できないほど複雑に絡み合って、循環しているんだ
循環?どういうこと?
たとえば、「気分が落ち込む」という結果があったとする。その原因は「仕事がうまくいかない」ことかもしれない。でも、逆に「気分が落ち込んでいる」からこそ、「仕事がうまくいかない」という結果につながっているかもしれないだろう?どちらが原因で、どちらが結果かなんて、簡単に決められないんだ。
ああ、確かに。ぼくも、どっちが先だったかわからなくなる時があるな…。
そして、もう一つ大切なことがある。それは、原因は一つだけではなく、「複数」である場合がほとんどだということ。君の仕事がうまくいかないのは、もしかしたら君の頑張りだけじゃなく、コミュニケーション不足やスケジュールの見通しの甘さ、そもそも社会のニーズが変わった、なんていう複数の原因が重なっているのかもしれない。
複数…!そんなにたくさんの原因が隠れているなんて、どうやって見つけたらいいんだろう?
大丈夫。全部を一度に解決しようとしなくていい。まず、とっつきやすいものから取り掛かるんだ。たとえば、コミュニケーション不足が原因だと感じたら、まずはチームメンバーに「最近どう?」と声をかけることから始める。それが解決の糸口になることもある。
なるほど…。全部を明らかにしようとしなくてもいいんだね。
うん。時間やコストに限りがある中で、遠い原因まで深掘りするのは非効率だ。まずは目の前にある、手が届く原因に焦点を当てる。そして、その原因が解決され、状況が少しでも良くなったら、また次の原因を探せばいい。そうやって少しずつ、パズルのピースを埋めていくように進めていくんだ。
複雑な問題も、少しずつなら解決できる気がしてきた!ありがとう、ものしりんご!
うん!原因を一つに絞り込もうとせず、まずは目の前の手が届くところから、少しずつ改善を重ねていく。それが、君が前に進むための、一番現実的な方法だよ。